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006天井は高くないといけないの?

こだわりポイント

錯覚の話から考えて見ましょう

人は数字を正しく認識できるのでしょうか?重さの違いを人間はどの程度で認識できるかと言った研究はされています。100グラムと150グラムの差は認識できます。では100グラムと110グラムではどうなのか?これも実は認識できるそうです。しかし、110グラムを切ると難しくなるそうです。

そこで考えるのは「人は10グラムを認識できるのか?」。1000グラムと1010グラムの違いを認識できるのか?当然出来ません。認識できるのは実は10%の差に関してで絶対的な数字の認識ではないそうです。

パーセンテージの差で認識するということの本質は、「人は絶対的なことは認識できず、相対でしか認識できない」ということだと言えます。このことは、認識する脳を錯覚させればそれだけで満足いく空間の設計ができるということを物語っていると言えます。

そこで今回は古いマンションですが壁式で天井の低いマンションのリノベーションのお話です。

 


空間は立体的に認識する

壁式のマンションでしたので間取りの自由度には制限があり、なおかつ天井が低い。広さは80㎡近いものですので、どうしても相談すると3LDKの間取りになります。しかし、必ずしも3部屋ないといけないのでしょうか?営業の人たちは、「親族の方が泊りに来た時のためとかで一部屋あったほうがいいですよ」とのアドバイスがされがちで。

しかし、果たして1年に何度もあることのない自体のために10㎡もの空間を潰すことが必要なんでしょうか?それよりも広さを感じ心地良い空間にする方が大切なのではないでしょうか?そのために私たちが提案したことは「天井には余計な照明をつけない」ということそれと、できるだけ長い空間であると誤解させる設備の配置でした。

天井がプレインでしかも長い壁があると平面的な広がりを感じる空間になります。そう、空間を立体的に認識できるようにすることで天井の低さを認識しないような空間にすることを提案しました。

対角線を意識して

壁式のため、室内にはいたるところに構造壁があって、自由な発想の制約になっていました。やはり、業者再度からすると「ラーメン構造の方がリノベーションに向いている」と言われていても希望のエリア内にあるマンションが壁式であればそれを買って自分のテイストにあったマンションにリノベーションをするしかないのでそんなこと言われてもとの考えは浮かぶものです。

マンションはカギ型の形状でした。うまくレイアウトすることで対角線を認識することを意識すれば思いっきり広い空間に見せることは可能であると考えました。しかも天井が低く何も天井からぶら下がっていなければ天井のおかげで遠近法を活用することができるので数字以上に長い空間に感じて広い空間にすることが可能だと考えました。

 

 


風の流れる空間に

いわゆる中入りの両面解放のマンションでしたので、うまくデザインしたら風の流れを感じられて涼しい空間に変えることが可能でした。空気は圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がります(ボイルシャルルの法則)。そのため、隙間風は冷たくなります。この原理を利用して涼しさを作り出す提案をしました。

日本建築で欄間が活用される理由の一つにこの空気を冷やす効果があったのではないかと言われています。そこで、欄間を活用して風を流す方法を採用しました。また、玄関周りをスッキリさせたいとの要望がありました。そこで、クローゼットの中にシューズロッカーを設ける。クローゼットの中は風が流れるので靴の乾燥にも効果がることになり風を涼しさのためでなく、乾燥のために使うこともできるので一挙両得のアイディアとなりました。

 

 


 

狭い洗面所は嫌だ そして 狭いトイレも

やはり狭いトイレや洗面は心地よい空間でないのでどうしても広くしたい要望がありました。ここで壁式の問題がありトイレ洗面お風呂は既存のフレーム内で処理するしかありません。そうなると「すみませんがトイレはタンク付きで手洗いはタンクの上でお願いします」になる。本来、贅沢な空間で生活したいとの思いの方に、「既存のままでトイレの手洗いはタンクの上でお願いします」これは絶望的な気持ちになるものです。

私たちは発想を変えて、「そもそも洗面所にないといけないものはなんなのか?」の議論をしました。そう考えると洗面所に必ずと言っていいほどある洗濯機置き場。「洗濯機置き場って洗面所に必要なの?」と疑問に行き着き家事動線上考えたらキッチンにあってもいいのではないかと考えて提案。洗濯機置き場がなくなると洗面所の空間は広くなります。

できるだけ不要なものは置きたくない。そのような考えからはスッキリした空間にすることができます。日本の洗濯機置き場は縦型の洗濯機を想定して設置されますので、洗濯機置き場の上部に吊り戸がつきがちです。この吊り戸と洗濯機のバランスが微妙にきたらなしい。そう言った空間から解放されます。

 


キッチンから見渡される風景を大切にしたい

料理が好きな方はやはりキッチンのあり方は重要なポイントなります。リノベ業者の方に相談するとリクシルなどの住宅設備メーカーのシステムキッチンを推薦します。しかし、今回のように変形間取りでしかも広い空間に見せたい方には向いていない。でも彼らはそのような商品を紹介してくる。

なぜ?それはキッチンをオーダーメイドで作るとの発想がないからで。キッチンをリノベの内容に応じて作れば最高の空間になります。今回は大型のキッチンの提案でした。とくにキッチン上部に吊り戸がつくと広く見せるためのプレインな空間が壊れることとつけると貧乏くさい空間になるためにあえてつけないことにしました。

オーダーメイドですから自由に配置も決められます。シンクに関しては明るい空間での作業を想定して、目の前をガラス窓に接することにし、しかもその先の桜が望めるような配置にしました。また、洗面所から移されて来た洗濯乾燥機はキッチンの一部にビルトインしてスッキリしたデザインにしました。

こう言った空間ではいつも仲間が集まり楽しい生活が送れる気がしませんか?

 

 


フレキシブルな収納に対する考え

広い壁を有効に使いたい。しかし、家族構成の変化の中で変更できるような収納が欲しい。そんなわがままな要望は実現し難いものでしょう。通常収納は固定されないとダメですから。と言われるものです。しかし、私たちはこのようなわがままな要望もアイディアで切り抜けることにしました。

複数のサイズの箱を用意してその箱の組み合わせで本棚にできるようにする。組み合わせはいくつも考えられる。外して使えばゲスト用の物入れにもできる。そんな便利な収納ユニットを考えました。

 

光と風で遊ぶ

風を流せる空間を実現するために提案したのがルーバー建具です。このルーバー建具は風と同時に光も通しますので実は光を楽しむことができます。どうしても建具は機密性を大切にします。密閉性のない建具に対して最初は違和感を持たれました。

しかし、現実に取り付けると光の効果には感動するようです。羽根の角度が変えると光と影が微妙に変化する。その光景に目がクギ付けになります。こう言った想像外の提案も私たちの仕事です。

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